こんにちは!行政書士の横山です。今回は令和5年6月30日(金)締め切りの事業再構築補助金(第10回)について解説していきます。

1.事業再構築補助金とは

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。(公募要領P2より)

2.補助金の枠組み

第10回は①成長枠、②グリーン成長枠、③卒業促進枠、④大規模賃金引上促進枠、⑤産業構造転換枠、⑥サプライチェーン強靭化枠、⑦最低賃金枠、⑧物価高騰対策・回復再生応援枠 の8つがあります。

通常枠はなくなり、成長枠となりました。また、概ね補助率が下がりました。(2/3⇒1/2など)

3.補助金の要件(成長枠について)

補助金額や対象経費は以下の通りです。

一番大きく変わったのは補助率かと思います。大規模な賃上げ(事業終了時点で①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成する)を行う場合は補助率が2/3となります。

これまでの通常枠では付加価値額の年率平均が3.0%以上だったのに対し、4.0%以上の増加となっていること、市場規模が10%拡大すること、給与総額増加要件(年率平均2%以上)が加わったことが変わった点です。そのため、前回までの通常枠とはまったく違う要件となります。前回までの要件に近いのは物価高騰対策・回復再生応援枠の方ですね。

4.その他変更点

・採択された事業者は事務局が実施する説明会に参加しなければならないこと

・原則、国の他の補助金との併用はできませんが、厚生労働省の産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)を活用される場合は併用可能です。

5.まとめ

 新年度が始まり、補助金の活用を検討されている会社も多いかと思いますが、様々な要件があるため、申請段階になって「申請できない!」など慌てないよう、お気を付けください。

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